消費者契約法第4条1項1号 - 不実告知

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不実告知とは

事業者が、勧誘する際に、重要事項について事実と異なることを告げることをいいます。 これにより、消費者が事実であると誤認して契約した場合には、その契約を取消すことができます。

「消費者契約の締結について勧誘をするに際し」とは

「勧誘」は、特定の者に向けた行為のため、広告やチラシの配布、商品の陳列、店頭備え付けのパンフレット・説明書など、 不特定多数に向けてのものについては、「勧誘」には含まれません。

「際し」とは、事業者が消費者と最初に接触してから契約を締結するまでの間において、という意味です。

「事実と異なること」とは

事業者が消費者に告げた内容が、客観的に真実に反していたり、 真正(本当)でないことをいいます。 事業者が、消費者に告げた内容について、事実と異なることだと認識している必要はありません。 つまり、事業者が最初から相手をだますつもりで契約した場合でなくても、 告げた内容が客観的事実でなければ、取消しを主張できるということになります。

他方、「安い」、「新鮮」、「お買い得」などと言われて、商品を購入したという場合、 これらは主観的な評価であり、必ずしも客観的事実でないということができないため、 取り消すことはできません。

「告げる」とは

消費者が認識できる方法であればよいので、口頭で告げられた場合だけでなく、 書面やその他の方法も含まれます。

事例

  1. 靴屋の店員が「ヒールが硬い」というのは、主観的な評価であって、 事実と異なるかどうかを判断することができないので、不実告知にはならない。
  2. 魚屋が店頭で「新鮮」というのは、主観的な評価であって、 事実と異なるかどうかを判断することができないので、不実告知にはならない。
  3. 住宅販売において、「居住環境に優れた立地」という表現自体は、主観的な評価であって、 事実と異なるかどうかを判断することができないので、不実告知にはならない。 他に「当社のマンションは安心」と表現した場合も同様。
  4. 契約締結段階で裁判に勝つか負けるかを見とおすことは不可能なので、 「裁判に勝ちます」と告げても一般的には不実告知にはならず、取消しは認められない。
  5. 「感動する」と告げることは、主観的な評価であって、 事実と異なるかどうかを判断することができないので、不実告知にはならない。
  6. 建築請負契約において、基礎材は杉であると説明されて契約したが、実際には米栂であった場合、 これは契約違反(債務不履行)の問題であり、不実告知には当たらない。
  7. 「○○日には届く」と言われていて、その日に届かなかった場合は、契約違反(債務不履行)の問題であり、不実告知には当たらない。
  8. 事故車を事故車ではないと告げたことは、不実告知に当たり、取消しが認められる。
  9. いつでもやめられると説明されて契約をしたが、実際は4年以内は解約できないという場合、これは不実告知に当たり、取消しが認められる。

消費者契約法4条1項1号条文

  1. 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる
    1. 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
    2. 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
  2. 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
  3. 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
    1. 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。
    2. 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。
  4. 第1項第1号及び第2項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。
    1. 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容
    2. 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件
  5. 第1項から第3項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

外部リンク

  1. 消費者契約法逐条解説(消費者の窓)